
売れ残ったお弁当にも本部へのロイヤリティが発生!? 現場で働くオーナーだからこそ感じた理不尽な制度と、声を上げるリスクについて解説。
コンビニという舞台の裏側で
企業というものは、大小を問わず、多かれ少なかれ“秘密”を抱えているものです。
技術情報、マーケティング戦略、社内ルール、そして不祥事など、誰にも知られたくない事実というものは、企業活動のなかで必ず生まれてきます。
国家レベルでいえば、ウィキリークスによる極秘文書の公開や、尖閣諸島の映像流出のように、それが社会に一石を投じ、大きな騒動へと発展することもあります。
では、身近な業界──たとえばコンビニ業界ではどうか。
私たちが日々利用しているコンビニエンスストアは、表向きは「便利で気軽に使える生活インフラ」としての顔を持っています。
しかしその裏側では、経営者であるオーナーと本部との間に、常に張り詰めた空気や緊張感が存在しています。
これは、何か事件があるとか、誰かが敵対しているという話ではありません。
ただ、チェーン本部という“指令を出す側”と、現場で実務をこなす“加盟店側”では、立場の違いによって見える景色が異なるため、摩擦が生じやすいのです。
そしてその摩擦のなかには、時として「知られたくない話」「表には出せない真実」が混ざっていることがあります。
多くのオーナーが本部との関係性において感じる微妙な“違和感”や“言いづらさ”。
それは、ルールや契約書には書かれていない、けれど明らかに空気として漂っているものです。
そして時には、その空気の中に、“声を上げづらい圧力”が含まれているのです。
こうした見えにくい背景があるからこそ、表面的には平穏に見えるコンビニ業界の現場にも、静かで複雑なドラマが存在しているのだと思います。
フランチャイズの“守秘義務”という壁
私もコンビニオーナーとして十数年この仕事に携わってきました。
そのなかで避けて通れないのが、フランチャイズ契約時に示される“守秘義務”という一文です。
「加盟店として知り得た情報は第三者に漏らしてはならない」
文面としてはシンプルで、理解できる内容です。
企業としての信用、ブランド力、内部事情の保護など、情報を守ることは当然の責務だとも言えます。
しかし、その一文の裏には「どこまでが守秘で、どこからが健全な問題提起なのか」というグレーな領域が存在しているのです。
現場で起きている問題や矛盾、実際に働いているからこそ見える課題。
それらを口にしただけで、「守秘義務違反」と捉えられる可能性がある。
そうなると、オーナーたちは「真実を語る自由」すら封じ込められてしまうのです。
最近になって、私が加盟しているチェーンの本部の方がこのブログを読んでいるという話を耳にしました。
どうやら、“おかしなことを書いていないか”と監視的な意味合いでチェックしているのでは?といった憶測も流れてきました。
もちろん、私としては知り得ない情報を書くつもりはありませんし、たとえ知っていたとしても、暴露するようなつもりもありません。
私は一加盟店の経営者であり、同時に現場の声を持つひとりの人間にすぎません。
本部の方々が一読者としてこのブログに目を通してくださるのは大変ありがたいことです。
意見を共有し合える機会が増えるなら、それに越したことはありません。
ただし、それが“監視”のためであるのなら、ひとこと申し上げたい。
「そんな暇があるなら、本部としてもっと現場をサポートする仕事に集中してください」
現場では、日々さまざまな課題やトラブルが発生しています。
人手不足、クレーム対応、トレーニング不足、物流の遅延──それらに向き合うのが現場であり、現場を支えるのが本部の本来の役割ではないでしょうか。
“守秘義務”という言葉が、現場の声を封じる盾ではなく、信頼を守るための道具として機能する日が来ることを願っています。
廃棄弁当からもチャージ?
さて、以前から業界内外で問題視されてきたことがあります。
それは、売れ残って廃棄された商品──たとえばお弁当類、総菜、サンドイッチ、デザートといった「消費期限の短い食品」にまで“ロイヤリティ”、つまり本部へのチャージが発生するという制度です。
常識的に考えれば、販売できなかった商品には利益は発生していないわけですから、その損失は店舗側が抱えるとしても、そこにさらにロイヤリティが加算されるという仕組みは、理不尽としか言いようがありません。
この制度がなぜ存在するのかというと、ロイヤリティが「仕入れベース」で計算されているからです。
つまり、販売実績ではなく、店舗が本部からどれだけ商品を仕入れたかによって、支払う金額が決まってしまう。
販売実績が伴わなくても、チャージは発生する──この構造そのものが長年にわたって議論の的となってきました。
すでに新聞や各種メディアでも何度も取り上げられてきました。
特に記憶に新しいのは、セブンイレブンでこの問題が大きく報道された際のことです。
あるオーナーが廃棄商品のチャージに対して疑問を呈し、それが全国に報じられた結果、世論の関心が一気に高まりました。
そして、セブン本部も「是正策」を発表せざるを得なくなったのです。
実はこの問題、セブンだけではありません。ローソンでも過去に似たような事例が報道されましたし、ファミリーマートでも最低保証制度を巡る訴訟が行われたと記憶しています。
いずれも共通していたのは、“声を上げたオーナー”の存在がきっかけとなり、問題が表面化したという点です。
声を上げることは、決して簡単なことではありません。
場合によっては本部からの圧力や不利益な扱いを受ける可能性もあります。
それでも立ち上がったオーナーたちは、自分だけのためではなく、同じような立場で苦しんでいる全国の加盟店オーナーたちのために勇気を持って声を上げたのです。
その行動力と覚悟には、私は心からの敬意を抱かずにはいられません。
声を上げることの“代償”
しかし声を上げるということは、それだけで“覚悟”を伴います。
特に、全国に多数の店舗を抱えるコンビニチェーン本部のような巨大組織に対して意見を述べることは、時にリスクを伴う行為になります。
なぜなら、内部で異を唱えることは「反乱分子」と見なされてしまう空気がまだ根強く残っているからです。
個々のオーナーが自分の経験や感じた矛盾を口にしただけで、「あの人は扱いづらい」「面倒な存在」とレッテルを貼られ、結果として冷遇されるような“冷たい仕打ち”が待っている──これは、実際に経験したオーナーたちのリアルな声です。
定期的な商品発注のタイミングがずらされたり、販促物の配布が遅れたり、本部の担当者からの連絡頻度が明らかに減ったりと、目に見えない“圧”が加えられる場合もあると聞きます。
では、なぜ本部はそんな対応をとるのでしょうか?
それはきっと、「公にされたくないこと」があるからでしょう。
何もやましいことがなければ、堂々と説明すればいいだけの話です。
現場の声を正面から受け止め、改善につなげることができれば、むしろ信頼関係は深まるはずです。
それを封じ込めようとするのは、やはり何かを隠したい思惑があるからなのではないか。
つまり、問題を起こしているのは声を上げたオーナーたちではなく、その声を受け止めるべき体制の側──本部の姿勢そのものにあると言えるのではないでしょうか。
この構図を見ていると、つい思い出してしまうのが、情報を統制しようとする某国の姿勢。
中国共産党が「臭いものにはフタをする」というように、都合の悪い話題には一切触れようとしない。その姿勢とどこか重なって見えてしまうのは、私だけでしょうか。
オーナーたちは日々の店舗運営の中で、汗をかき、顧客と向き合いながら、現場の最前線に立っています。
その声を押さえつけるのではなく、むしろ尊重し、活かす姿勢が求められているのです。
真のパートナーシップとは?
私は、本部とオーナーの関係は「対立」ではなく「対話」によって築かれていくべきだと、心の底から思っています。
片方が一方的に力を持ち、もう片方が常に従うという関係では、健全な成長は望めません。
現場で働いているからこそ見える課題や、日々の接客や店舗運営の中で培った知見。
それをオーナーから吸い上げ、本部が真摯に向き合う姿勢を持ってこそ、初めて“本当の意味での信頼関係”が生まれるのではないでしょうか。
現場の声に耳を傾け、表に出したくない事実を隠すのではなく、きちんと向き合い、建設的な解決策を模索していく。そういった“透明で誠実なパートナーシップ”が築かれれば、業界全体の信頼もまた大きく育っていくはずです。
「チェーンの一員として、胸を張ってこの店を任されている」
とオーナーが心から思えるような環境。
本部の職員も、
「この現場があってこそ、自分たちの仕事が成り立っている」
と理解し、尊重してくれるような空気。
そんな理想の関係が当たり前になれば、加盟店と本部という立場の違いを超えた“協働の関係”が生まれるのではないでしょうか。
このブログは、そうした関係性がいつか当たり前になる未来を願って綴っています。
読んでくださっているすべての方へ、そしてもし本部の方が読んでくださっているのなら──心からの敬意と感謝をこめて。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。