
「コンビニのおでんって、なんでこんなに美味しいの?」そんな疑問に、現場で働く店員が味の違いや手間のかけ方まで、リアルに語ります!
最近は、朝晩にちょっとずつ春っぽさを感じるようになってきましたね。
昼間はポカポカ陽気でも、朝早くや夜になると意外と冷え込んだりして、油断してると風邪をひきそうになります。
そんな寒暖差がある時期になると、無性に恋しくなるのが「おでん」ですよね。
コンビニに入って、だしの香りがふわっと漂ってくると、
「あ~そろそろおでんの季節かぁ」
と感じます。
最近では、通年でおでんを販売している店舗も増えてきてはいるけど、やっぱり売れ行きが本格化するのは秋から冬にかけて。春先になるとだんだんと下火になり、暖かくなると自然と終売に。
うちの店舗もその流れにのっていて、毎年夏場はおでんの販売をお休みします。
実は、数年前に「もしかしたら夏でも売れるんじゃ?」と思って、一度だけ夏おでんに挑戦したことがあるんですよ。
エアコンが効いた店内ならいけるかな~なんて思ったんですが、見事に玉砕(笑)。
まったくと言っていいほど売れず、仕込み分のほとんどが廃棄に。あのときは正直、心が折れました…。
それ以来、うちでは夏におでんはやらないと心に決めました。
同じ理由で、中華まんも暑い時期は一時撤退です。
ただ、店内って年中快適なんですよね。
エアコンのおかげで外がどんなに暑くても涼しい空間。
だから、たまに「今日はおでんいけそうだな」って気分になることもあります。
ここだけの話、自分で言うのもなんですが、コンビニのおでんって本当に美味しいと思いません?
うちの妻には申し訳ないんですけど、コンビニのおでんの存在を知ってから、家で作るおでんの出番がめっきり減っちゃいました(笑)。
しかも、たまに外食でおでんを出してるお店に行っても、
「あれ?こんな味だったっけ?」
と肩透かしをくらうこともあって。
コンビニのおでんのスープや具材は、基本的にはチェーン本部から一括で納品されてるので、どの店舗でもベースは一緒のはず。
でも、実際には味に違いがあるんです。なぜかっていうと、それぞれの店舗での
“手のかけ方”が違うから。
たとえば、スープの濃さ。お客様の層によって味の調整をしていることがあります。
うちの店舗は肉体労働系のお客様が多いので、ちょっと濃いめにしている日もあったり。
さらに、煮込み時間が長くなると、スープに“あく”や油が浮いてきますよね。
それを丁寧に取るかどうか、具材を追加するたびにちゃんと味見するか、足し湯の加減やタイミングなども、味を左右する大事なポイントなんです。
この細やかなケアをしっかりしているかどうかで、同じ材料でも出来上がりに明確な差が出ます。
あとは、味見するスタッフの“舌”の感覚。どこまで繊細に味を感じ取れるか、好みがどうか、そういった個人差もけっこう出ます。
ちなみに僕は、関西風の透き通った、だしがしっかり効いたあっさり味が好みなので、自然とその方向で味の調整をしています。
完全に自分の好みで申し訳ないけど、自分が「うまい!」と思わないと、自信を持ってお客さんにおすすめできないんですよね。
それにしても、コンビニ各社で使っている具材やスープの味も、地味に違うのが面白いところ。
たとえば、あるチェーンは牛すじが強い味わいだったり、別のところはがんもや餅入り巾着が絶品だったり。
具材のバリエーションも季節によって変わることがありますし、地域限定のものがあったりもします。
人気具材ランキングを作るとしたら、大根、たまご、こんにゃく、ちくわ、しらたき、牛すじあたりが常連でしょうか。
中でも大根は圧倒的。
味の染み具合で腕がわかると言ってもいいかもしれません(笑)。
そうそう、たまに
「このおでんの具、どうやって食べるのがベストですか?」
なんて聞かれることもあるんですが、そういう時は「からし派ですか?味噌派ですか?」って逆に聞き返して盛り上がるのが定番です。
お客さんとのちょっとした会話も、おでんの魅力を伝える大事な時間です。
…とまぁ、こんなふうに語ってたら、ついつい熱くなっちゃいますね(笑)。
でも、実際に自分で仕込んで、自分でも食べて、美味しいって思えるものを販売できるって、やっぱり嬉しいことです。
さて、ここからはちょっと裏話。
おでんを店頭に出す時に、悩まされるのが“虫問題”。
基本的にはフタを閉じて陳列してるんですが、お客さんが注文するときには開けざるを得ません。
で、そうすると、たま~に虫が入ってきちゃうんです。
小さな虫ならすぐに網ですくって対応できるけど、困るのは“大物”。
特に印象的だったのが、数年前のこと。
お客さんに注文されて、おでん鍋のフタを開けたその瞬間、大きな蛾がスーッと飛んできて、そのまま鍋にダイブ…!
お客さんもスタッフもポカーン。数秒間、静まり返ったあとに、「今の…蛾ですよね?」と。
当然、その日は即販売中止。
仕込んであった数十個の具材はすべて廃棄。
スタッフ全員で消毒と清掃。いや~、あのときは本当に心が折れました。
幸い、お客さんが「災難でしたね~」と笑ってくれて、大事にはならなかったんですが、あれ以来“虫除け強化”が徹底されるようになりました。
透明なフタを導入したり、LEDライトで虫を寄せつけにくくしたり、こまめにフタを閉める習慣を徹底したりと、日々の努力は地味ながらも大切。
それでもやっぱり自然のものなので、完全に防ぐのは難しいんですよね。
だからこそ、今シーズンも“あの蛾”が現れないよう、心の底から願ってます。
ということで、今回は完全におでんトークになっちゃいました.
おでん、今年も美味しく仕上がってますよ~。ぜひ、食べてみてくださいね!
最後までお読みいただきましてありがとうございました。